分子夾雑の生命化学

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新学術「分子夾雑化学」レクチャーツアー ( A01 計画班 : 浜地先生, 王子田先生 )

レクチャーツアー報告書

九州大学大学院薬学研究院 教授 王子田 彰夫

京都大学大学院工学研究科 教授 浜地 格

 

総括班・研究計画A01班の浜地先生ならびに王子田は、2018年11月22日−23日まで、タイ:バンコクで開催されたTSB2018 (Thai Society for Biotechnology and International Conference 2018)に参加し、それぞれ講演を行った。

浜地先生は、細胞や組織におけるタンパク質のケミカルラベリング技術の最近の進歩ならびに、特に膜タンパク質の蛍光センシングや薬剤探索への応用について基調講演を行い、分子夾雑系における有機化学をベースとした新しいケミカルバイオロジー研究の重要性について紹介した。

一方、王子田は、不可逆阻害剤(コバレントドラッグ)開発の最近の進歩ならびにケミカルバイオロジー研究に基づく新しい抗がん剤のデザインについて招待講演を行った。

TSB2018はタイ国の生物工学会が毎年主催している国際シンポジウムであり、今年で30周年を迎える歴史ある学会である。今年はマヒドン大学の生物工学科が世話役となり”Bridging Research and Society’s Needs”のサブタイトルを掲げて開催された。

本シンポジウムの参加者は400名を超え、タイ国内のみならず10名を越える世界各国からの招待研究者による講演が行われ、活発な議論が繰り広げられた。本学会のサブタイトルが示すように、講演では、バイオテクノロジーの基礎研究のみならず、それらの実際の産業応用に重点をおいた内容に重点がおかれている点が印象的であった。また、30を超えるバイオテクノロジー関連企業からの大規模なブース展示があり、大変に熱気ある学会であった。