分子夾雑の生命化学

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新学術領域「分子夾雑の生命化学」第2回関東シンポジウムが開催されました。

新学術領域「分子夾雑の生命化学」第2回関東地区シンポジウム開催報告

名古屋工業大学大学院工学研究科 築地 真也

令和元年1016日に東京大学弥生キャンパスセイホクギャラリーにて、当領域の第2回関東地区シンポジウムを開催しました。本関東地区シンポジウムは、昨年開催された第1回関東地区シンポジウム(理化学研究所)に引き続いて、2回目になります。今回の世話人は、公募班の築地(名古屋工業大学)、新井敏(金沢大学)、小松徹(東京大学)の3名が務めました。本シンポジウムでは、領域関係者の8名の先生による依頼講演に加え、4名の先生に招待講演を行なって頂きました。ポスター発表も行うなど、第1回目からさらに規模を拡大しての開催となりました。

本シンポジウムでは、はじめに築地が開会の挨拶をさせていただくとともに、研究紹介を行いました。次いで、各演者の先生による発表が行われ(依頼講演:発表20分、質疑5分、招待講演:発表35分、質疑5分)、細胞夾雑系や分子夾雑モデル系を対象とした化学ツール開発、生体分子の物理化学的解析、デバイス開発など、「分子夾雑」を共通キーワードとした多岐に渡る分野から、最新の成果を含む研究をご講演頂きました。

特に、青木一洋先生(基礎生物学研究所:細胞内シグナル伝達系の可視化・定量化から見えてきた分子夾雑の効果)、どど孝介先生(理化学研究所:Turn-On型蛍光アフィニティー標識法の開発と応用)、児玉豊先生(宇都宮大学:光受容体による温度感知を介した植物オルガネラ配置制御)、野地博行先生(東京大学:人工細胞リアクタ技術で「はかる」「つくる」「ふやす」)の4名の招待講演の先生方には、領域メンバーにとっても大変新鮮で、分子夾雑化学の概念を拡張する非常に刺激的なご講演を頂きました。講演会では終始活発な質疑がなされ、特に学生の参加者が積極的に質問している姿が大変印象的でした。

講演会後は、情報交換会を兼ねたポスター発表(21件)を行い、企業からの参加者や学生も交えて活発な議論や意見交換が最後まで続きました。合計70名が参加する盛会となり、当領域のアクティビティを再認識すると同時に、今後のさらなる発展が期待される、大変有意義なシンポジウムとなりました。