分子夾雑の生命化学

分子夾雑の生命化学

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「Rasタンパク質のリン酸結合ループはGTP加水分解エネルギーの一部を構造歪みとして保持する」( A02計画班 : 田中先生 )

神戸大学大学院システム情報学研究科の栗﨑以久男特命講師と田中成典教授は、化学反応に伴い化学種が変化する効果を低コストの分子シミュレーションで実効的に扱う手法を開発し、Rasタンパク質のGTP加水分解反応により放出されるエネルギーの一部が、熱散逸を逃れてRasタンパク質のP-loopに保持されることを発見しました。(P-loopは様々なGTPおよびATP加水分解酵素に共通する構造モチーフです。) 今後、P-loopの役割の再考を促すとともに、人工的機能性タンパク質の設計原理に利用されることが期待されます。また、開発した手法は、汎用的な複雑化学反応シミュレーションの基礎技術になる可能性があります。 本研究成果は、11月5日付で、英国王立化学会発行の物理化学誌「Physical Chemistry Chemical Physics」に掲載され、2021 PCCP Hot Articlesに選出されました。

神戸大学「Research at Kobe」

https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2021_12_27_01.html